2021年8月31日火曜日

「遊ぶおもちゃと、遊ばれるおもちゃ」

こんにちは。

先日、銀杏の木を見上げたら、ついに小さな葉の赤ちゃんが生まれていました。桜が散る頃にちゃんと出てくる自然のサイクルを目にすると、「子どもにも成長のサイクルがあるのだな。」と実感させられます。

成長のサイクルの中で、子どもの生活に現れる独自の活動を、モンテッソーリ教育では「敏感期」と名づけています。敏感期?なんだかよくわからない・・と思いますが、決して言葉そのものにとらわれる必要はありません。

敏感期の説明は詳しくは検索して頂くとして、簡単に言うと「子どもがある能力を身につけようとして、そのある物(こと)にとても敏感になって、自分から働きかけて、何度も繰り返す一定の期間」ということです。とくに6歳までの子どもは次から次へと敏感期が現れます。

モンテッソーリ おもちゃ 敏感期

例えば、ボウロをつまんでは放り投げる、水を出したり止めたり、壁のでこぼこを指でなぞる、紙をくしゃくしゃにする、階段を上りたがる、などなど、普段の生活で子どもを観察すると、自分の子どもがその時期にどんな能力を身につけたいと望んでいるかがよくわかるはずです。

かたや、最近気になる子どもの遊び。

児童館に行っても、公園に行っても、必ず見かけるのは携帯ゲーム機でずっと遊んでいる子ども達。ゲームそのものへの考え方は家庭によって違うと思いますが、出生児縦断調査などによると、ゲームを始める年齢が5歳くらいにまで低年齢化してきているそうです。

5歳、といえばまだまだ敏感期の真っ只中。退屈な場所であればともかく、たくさんの遊具、自然、工作、本などがある場所で、それに見向きもせずゲームに没頭しているのは、あまりに勿体ないことではないでしょうか。

遊ぶおもちゃと遊ばれるおもちゃ

指でボタンを押すだけで、音声や光や映像によって遊びを与えてくれる魅力的なおもちゃが世の中にはあふれています。

一見して子どもが飛びつき、欲しがるので、ついつい与えたり頂いたりしがちですが、あら、もう飽きちゃったの?という経験ありませんか。私は実際に何度もしてきました。(もっともゲームは、飽きないように大人の戦略が盛り込まれているそうですが・・・。)

遊ぶおもちゃと、遊ばれるおもちゃ」モンテッソーリ 敏感期

子どもをよく観察して、敏感期かな?と思う活動を見つけたら、それに関する遊びを与えてみてはいかがでしょう。敏感期の子どもはおもちゃに主導権を握られるより、自分が主体となって遊べるおもちゃに夢中になることで、より成長すると考えられます。

・新聞紙(びりびり、紙ふぶき、筒にする、家を作る、洋服を作る、ボールにする)

・毛糸(ぐるぐる巻く、あやとり、スパゲッティ作り、指編み、体や部屋を測る、ちょうちょう結び)

・ストロー(水をうつす、しゃぼん玉、曲がるストローで工作、触角にして虫ごっこ、はさみで切り目を入れて花形に開く、切ってテグスを通してアクセサリー作り)

・空き瓶(フタとビンの合わせパズル、紙粘土をつけて入れ物づくり、紙の小さな玉を作って投げ入れる、水を汲んで違うビンに移しかえる、花から色水作り)

つみき、ドミノ、ブロックなどは言うまでもありませんが、少し想像力を働かせれば、家の中にあるものがたちまちおもちゃに変身します。

ちなみに小学校の受験でも、このようなものがよく使われるそうですから、やはり子どもが主体的にどう活動できるか?というのは、その子どもの成長を知る大きな鍵なのかもしれません。

ゲームに子守りを任せずに、子どもの敏感期を発見してみましょう!

さくら

2021年8月20日金曜日

「子どもが主体になる遊び、空きビンを使って」

 こんにちは。このところ春の雨が続いていますね。

子ども達が1歳と3歳という頃、まだ幼稚園も通っておらず、雨の空を見上げながら「外で遊べないな~」と残念に思ったものです。そんな中で、日々、子どもを観察していて発見したこと・・・

「遊ばされるおもちゃ」つまり、ボタン1つで遊びを誘導してくれるような物には、本当に短い時間しか興味を持たないということでした。(詳しくは先週の記載をご覧下さい。)

「子どもが主体になる遊び、空きビンを使って」コドモンテ,モンテッソーリ教育,食育,子育て,幼児教育,小学校受験,sakuraedu.net

子どもが主体となって、自分で考えて動けば、時間を忘れて遊び出します。今週は具体的に「空きビン」を使った遊びを紹介していきます。

空きビン遊び(ジャムなどの容器、ペットボトル、などフタの取れるものをためておきます。)

パズル

形、大きさ、の違う空きビンを用意します。初めに、ビンとフタを子どもによく見せて触らせます。フタの閉め方をゆっくりと見せて、実際に子どもに開け閉めを体験させます。

初めて挑戦する時は見本を見せましょう!2種類のフタとビンを別々に置いて、「どのフタが合うかしら?」と聞いて、ちゃんと閉まるフタを探します。 子どもがやりたそうにしたら、もう一度フタとビンを別々にして、「やってみてね」と声掛けしましょう。慣れたら、ビンの種類を増やしていきます。

小豆落し

ペットボトルを用意します。小豆を小皿に入れて、親指、人指し指、中指を使って一粒ずつつまみ、ペットボトルに落していきます。これも同様に見本を見せましょう。

上手にできるようになったら、豆の種類を増やして、種類の分だけボトルも増やし、落す時に分類していきます。さらに数の敏感期にある子どもには落す時に「いーち、にーい」と数を数えるのも楽しい事でしょう。

この遊びを充分に楽しんだ後は、マラカス作りです!豆を入れたボトルにフタをして、好きな絵やシールを貼ったら、ダンシングタイム!豆の種類や数に よって音に違いがあることに気づくと思います。(モンテッソーリ教具には、中味が見えずに音の大きさだけで聴覚を鍛える「雑音筒」というものが配置されて います。)

輪投げ

空きビンをいくつか並べたら、ビンを的に輪投げに挑戦しましょう。輪がなかったら、厚手のボール紙を切り抜けば、あっという間に出来上がります。

さらにビンのフタを開けて並べて、紙で作った小さな玉を入れるという遊びに発展することができます。

ボーリング

大きなペットボトルを並べて、ボーリング、うちではボトルごとに点数を変えて、高い点数のものは当たりにくい所にするなど発展させました。小さなゴムボールがあればそれで良いですし、いらない紙を丸めてガムテープで貼った、ごつごつボールも不規則な動きで大変面白いです。

花瓶づくり

紙粘土が扱える子どもなら、ジャムや牛乳などの空きビンに紙粘土を貼って花瓶づくりを楽しめます。紙粘土が柔らかい内なら、ビーズを埋め込むことができます。乾いたら、水彩絵の具で色づけして、工作ニスを塗れば完成です。(ニスは大人がやりましょう。)

雑草のお花を摘んできて飾れば、大満足の出来栄えです。

数の勉強

もう少し大きくなれば、数の勉強にビンは大変役立ちます。

同じビンをいくつか準備して、おはじきやキャンディを分けたり、集めたりしながら、算数を学ぶことができます。うちでは、ビンに動物の顔を貼って、 動物の仲間全員にキャンディを分けるとか、キリンとゾウのキャンディを合わせるとか、ライオンがイヌの分を取っちゃったとか、ストーリーを作ることで楽し く遊ぶことができました。モンテッソーリ教育では装飾を省き、吸収するための性質を取り出してシンプルに見せることを重要視していますが、この場合は遊び として、楽しむ要素もあって良いように思います。


参考まで、小学校受験のペーパーに何度も、何度も出てくる、「みんなに分けるといくつずつで、あまりはいくつでしょう」「みんなに個ずつ分ける と、いくつ必要でしょう」の問題、子どもは紙の上だけで学ぶことは困難です。もし、つまづいている場合、ビンが助けになるかもしれません。

さてさて、ここまでやれば、たかがビン、されどビン、という気分になってきます。まだまだあるのですが長くなってしまうので、また機会を見つけてご紹介したいと思います。次回は新聞紙かな?

ビンの取り扱いにはくれぐれもご注意下さいね。

さくら

2021年8月17日火曜日

「日進月歩で、親も学ぶネット社会」

突然ですが、お子さんにスマホを持たせていますか?

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震災の影響もあり、またお稽古や塾通いなど、小学生の内から使用するケースも増えていると聞きます。

現代の子ども達は、次々と新しくなる通信機器や、ネット社会を享受していく世代なのでしょう!

先日、小学生の保護者を対象にした、「ネット社会」に関する講座に参加してきました。

色々なワークショップや、講座を体験するたびに思うのは、「子どもの知識に、親が付いていけない。」という現実です。

何やら、子どもが楽しんでいる画面をのぞくと、ライン、インスタ、TikTok、フェイスブック等、横文字が並び、子どもはそれをスイスイ~っと、操っています。

私達世代は、本当にうっかりすると、ネット社会の進化に付いていけない!

その状況をあざ笑うかのように、悪質なトラブルが後を絶ちません。

今回の講座には、携帯電話会社の方と、消費生活センター相談員の方がいらっしゃいました。

スマホを介した、ネット上でのトラブルはうなぎのぼり、アダルトサイトのトラブル相談が、

相談件数トップになっているそうです。

ネット社会を怖がって、禁止、抑圧するのは簡単なこと。

でも、親が知らない内に知識を得て、子どもはどんどん先に進んでいくかもしれません。

講座で、印象に残った言葉をシェアします・・・・・

インターネットがよく分からないがゆえ、リスクがぼやけていませんか?

もしネットを介さず、「知らない人がお金をよこせと言った。」「色んな人に名前と写真を配って歩く。」

「会ったことない人に、友達になろうって言われた。」などがあったら、大問題ですよね!

と。

おおいに納得したのでした。

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私がこれからしていきたいな、と思うのは、新しい機器やサービスを子どもが使用する時は、

一緒に説明を読み、使い方を覚え、どんなリスクがあるのかな?と考えることです。

当たり前のようですが、苦手意識があったら結構ハードルは高いです(汗)!

でも、子どもの自主性を重んじることと、リスクを回避するために準備をすることは、

一緒クタにすべき問題ではない、と、携帯電話を手離さない子ども達を見ていて実感しています。

さくら



「映画<いまを生きる>を、観なおしました」

 年末に、子どもの担任の先生から、「いまを生きる」という映画を、ぜひご覧ください、とすすめられました。

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ロビンウィリアムズが教師役の、かなり前の映画です。

もちろん観た事はあったのですが、あらためて観なおしてみました。

規律厳しい全寮制の進学校で、エリート教育を受けている思春期の生徒達の前に、

一見、型破りな教師が赴任してきます。

この教師に出会い、生徒達がどんどん変わっていくさまが描かれ、そしてある重大な事件が起きてしまいます。

主人公の子の親に、ハラハラしながら、「そうじゃないよ、そうじゃないよ。」と伝えたくなりますが、

ふっと自分を振り返って、「教育ってなに?子育てってなに?」、そして「私だって同じことがあるかもしれない。」

と、考えさせられました。

以前に観た時には、自分に子どもがいなかったせいか、1つの作品として楽しみましたが、今回は違います。

観終わってからも、ずしん、と響いています。

今年、どんなふうに子ども達と接していこうかな?

そんな気持ちを改めて考えています。

思春期は一般的に、中高生と捉えられていますが、子どもの変化は10歳前後から始まっています。

このプレ思春期の子育てをしている方に、ぜひお薦めしたい映画です。

一緒に観ていた我が家の子ども達、終わっても涙が止まらず、しばらく浸っていました。

でも、子ども達は、視線が違って、教師と子ども達の間に芽生えた絆に感動したそうです。

さくら

「切る、切る、子どもの大好きな仕事です」

 こんにちは♪♪ さくらです。

ブログで紹介されていた、小さな子どものためのお料理教室に、見学(お手伝い)に行って参りました。

2歳からの小さなお子さま方が参加して下さり、その小さな手をしっかりと使って、自分達の作業に集中、没頭されていました。

小さなお子さまが、複数いらっしゃるとは、とても思えない静かな時間が流れた後、野菜いっぱいの献立でも、好き嫌いなくモリモリと召し上がる、イキイキとした顔。その目には間違いなく、「自分でやったら、楽しかった!」という喜びが見えていました。

見学者にとっても、とても楽しい充実したひとときになりました。

そして思ったこと。子どもって「切る」のが好きだな~という事です。思えば、うちの子ども達も、紙をハサミでチョキチョキ・・・とにかく「切る、切る!」が、大好きの時期を経て、ナイフ、包丁でキュウリやナスを「切る、切る!」も、さんざんやりました。

お料理教室で、野菜を「切って」いる時の子どもは、刃物を扱うせいか、他の作業をしている時に比べて、さらに集中力を高めているように見えました。そして切り終えた後、どの子も「ふう・・・」と安心しながら、とても嬉しそうに見えます。

これを利用する手はありません。どんどん子どもの集中力を高め、達成感をプレゼントしましょう!それで思いついたのが、以下のメニューです。エコクッキングとして、子どもと一緒にチャレンジしてみましたが、味もなかなかよろしく、満足感の高いメニューでした!

エコのみ焼き

「切る、切る、子どもの大好きな仕事です」 コドモンテ モンテッソーリ 食育 子育て
1.野菜の切れ端、皮、(よく洗ったもの)、そして冷蔵庫などの残り野菜を小さめに刻みます。「切る、切る!」

この時は、赤ピーマンの屑、エリンギの根元近辺、ジャガイモやニンジンの皮、キャベツの芯、ブロッコリーの芯などを使っています。

「切る、切る、子どもの大好きな仕事です」 コドモンテ モンテッソーリ 食育 子育て

2.お好み焼きの粉、タマゴ、水、冷やご飯、肉や干しエビやキリイカでたまたまある物、を適宜入れ、もったりするまで混ぜる。




「切る、切る、子どもの大好きな仕事です」 コドモンテ モンテッソーリ 食育 子育て
3.普通のお好み焼きの様にフライパンで焼き、仕上げにソースやマヨネーズをかける。




私としては、冷やご飯を入れるところが、ポイントかな?と思いました。野菜のくず類は、味は良いのですが、食感がイマイチなので、冷やご飯を入れることによって、全体がもちっとしてまとまりが出来るようでした。

小さいお子さんでも十分、「切る」の作業を満喫できますし、もし切る物が硬かったら、少し電子レンジで加熱するか、さっと茹でることで、使い易いテーブルナイフでも、「切る」ことが出来るようになります。

ぜひお試しくださいね。

でも、どうして子どもは、「切る」のが好きなのでしょう?やはり集中できる活動だから?普段、扱えない包丁を持てるから?、それとも、食糧を口に入れるための本能?・・・・?

子ども達を見ていると、新たな「?」が尽きません。いつまでたっても、この「?」と向き合い、忍耐強く見守っていかねば。さあ、いよいよ12月、あ と1か月で今年も終わります。私も書きながら、改めて年末までの子育て目標をたたき出しました。**;/^では,良い一週間を。

さくら